いつ起こるか分からない地震。
漠然と不安はあるかもしれないけど、日々の育児や仕事で忙しくなかなか備えるのは難しいかもしれません。
しかし、家族を守る備えは大切です。
特に赤ちゃんや小さい子どもがいる家庭では、自宅にいる時間が長くなります。
そのため、自宅の地震対策は非常に重要になります。
そんな余裕はない…というのも同じ子育てをしている身としては何より分かっています。
なので少しづつでもできることをしてください。
今回は忙しい家庭でもできる方法や工夫を伝えていきます。
まずは地震に備えて家族の安全ゾーンを作ろう
地震対策と考えると、家具の固定、配置の見直し、防災グッズの用意などなど、子育て中になんてできないよとなりかねません。
普段の生活が慌ただしい中で、やっていくには無理なく進めて行くことが大事になります。
でも、何から手をつけていいのか分からない。
そんな人はまず、【安全ゾーンを一部屋作る】から始めてみてください。
一部屋を集中して行うことで、コツを掴むこともできますし、安全な部屋があることでもしもの時に安心感も違います。
一部屋をどこにするか?
おすすめは、【子どもがよく過ごす部屋】または【寝室】です。
この2部屋はもともと安全に気を使う部屋にすでになっていたり、荷物も少ない場合も多いので、他の部屋に比べて、手間も少なく、費用もあまりかかることがないでしょう。
安全ゾーンを一部屋作るメリット
安心ゾーンがあることで、地震の揺れが起こった時にケガする可能性が格段に下がります。
地震は一度だけ揺れて終わりの場合もありますが、揺れが継続する場合もあり、揺れた後もその部屋で過ごすことでリスクを減らすことができます。
緊急地震速報が流れてたら、その部屋に逃げ込むと決めておくのも効果的だよ。
ただし、揺れはじめたら、安心ゾーンを作ったからといって、むやみに移動は危険だよ。じっと身を守り、揺れが落ち着いてから安心ゾーンに向かおう。
揺れがおさまったあと、在宅避難をする場合にも安全ゾーンがあれば、その部屋を起点に生活しやすくなります。
他の部屋が荒れていたとしても、一部屋だけでも片付けがそれほどかからず、ひとまず過ごせることは、心が落ち着かない地震時には、かなり心に安心感を与えることになるでしょう。
部屋を決めたら、危険な場所の探そう
どの部屋に安心ゾーンを作るか決めたら、その部屋を見渡しましょう。
立っている状態だけではなく、座ったり、ゴロンと寝て見渡してください。
危ないものがないか、いろんな目線で探してみましょう。
地震では、小さなものでも危険になる場合もあります。
完璧を目指すとキリがありませんが、危険箇所をなるべく気づいて減らしておくことは大事です。
小さい子がいる場合は、小さなものが誤飲になったり、手の届くところのものが落ちて危険と地震ではなくても、子どものケガ防止にも繋がりますし、安全な部屋は遊ばせるにも安心です。
地震対策は子どもが安心して遊べる部屋作りにも繋がるよ。
子どもは普段の生活にも危険が多いから、子供目線でも部屋を見渡してみてね。
優先すべき地震対策【家具の固定】
それでは具体的な対策方法を伝えていきます。
地震対策で何より大切なのは【家具の固定】です。
家具や家の壁の状態によって使えるものは異なりますので、確認しながら備えてください。
最初は手間だけど、一度してしまえば、定期的に見直すだけでいいからね。
できる部屋からやっていってね。
- L字金具
耐震効果が最も高く、一度つければ緩みの確認のみでOK。 - ベルト式器具
強度が高く、利便性が高い。 - ポール式器具(突っ張りポール)
壁に固定できないものに、取り付けが簡単。ストッパーと一緒に使って。 - ストッパー
目立たず、家具の揺れを守ります。移動防止の補助として。 - 耐震粘着マット
小型家電や小物類に使用。
地震で怖いのは揺れによってものが【倒れること】と、【飛んでくること】だよ。
何からやっていいか分からない時は倒れたら危険なものの固定を優先してね。
固定器具は、ホームセンターや家電量販店、通販で買えます。
転倒防止以外で対策するもの(収容物の落下は子どものためにも早めに)
子どもがもうある程度動く年齢になっているなら、落下防止は普段のケガの予防にもなるのでぜひ実施してください。
扉の開閉や落下は、指を挟んだり、頭をぶつけたりすることがあります。
地震の備えることは子どもの日常のケガを守ることにも繋がります。
- 棚の上に物を置かない
- カラーボックスや本棚等のオープン棚の物が落ちてこないようにする
- 扉や引き出しに開閉防止器具をつける
- ガラスに飛散防止フィルムをつける
特に割れ物や、ハサミ等のケガしやすいものは、開閉防止器具がついた場所に収納できるようにしてね。
お金をかけずに簡単にできる対策
あくまで一時的な処置としてですが、時間がない、余裕がない時でも、何もしないのは危険です。
そのために、買い物に行かなくて、1人でも簡単にできる方法をお伝えします。
これをきっかけに対策して欲しいことだから、これでいいとは思わないでね。
お金をかけない転倒防止対策
新聞紙を折りたたんで敷き、家具を壁側に傾けます。
段ボールを家具と天井に詰め込み、隙間をなくします。
これだけで、ストッパーや突っ張り棒の代わりになります。
簡易的ではありますが、お金をかけずに簡単にできます。
内閣HPから引用
他にも、
- カーテンは必ず閉める(昼間はレースカーテンを使う)
- 重たいものは下に収納する
- 扉に赤ちゃん用のいたずら防止ストッパーをつける
それほどお金をかけずに、簡単にできることはあります。他にもアイディア次第で、できることはたくさんあるでしょう。
大切なことだから繰り返すけど、あくまで一時的な処置と思ってね。
時間がある時に、見直さなきゃダメだよ。
整理整頓は最も簡単な地震対策
子どもが小さいと片付けても、片付けてもなかなか片付けられないという悩みがあるかもしれません。
育児で大変な中、一気に全てをきれいに整理整頓は難しいので、安全ゾーンを起点にやっていきましょう。
ものが多いとそれだけ片付けは手間になるし、危険にもなります。
そのため不要なものを溜め込まずに、必要なものをしっかり見極めることも大切です。
節約思考は防災対策になっています。
ただし、防災物品は値段より、しっかり命を守れるかで選んでね。
床や棚の上に物を置かない習慣をつける
地震だけではなく、子どもの誤飲や、ケガを防ぐ上でも大切です。
「子供がものを無限に出されるからできない…」というのは分かります。
なので、避難する通路と安心ゾーンには置かないとルール決めをしてみてください。
子どもがある程度の年齢になったら子どもにも教えてあげよう。
直接ジェルマットを貼る
素材によっては、直接ジェルマットを貼るのも簡単です。
ジェルマットは剥がせますが、子どもが簡単に口に運ぶことを防ぐのにも役に立ち、地震の時には飛んでいってしまうのを防ぐことができます。
動かすことがなくなるので、片付ける手間もなくなります。
配置を見直す
配置を見直すって大変と思われるかもしれません。
しかし、赤ちゃんが生まれたタイミングや子どもが動き出したタイミングは見直す大きな機会です。
大人が生活するのと違い、子どもの生活では危険な場合もあります。
そして、配置は一度変えると、頻繁にまた変えるということがないので、思い切って見直すとあとは特にすることはなくなります。
- 集中収納を行う
生活と収納をできる限り分離して、安全スペースを作る - ベッドに物が倒れてこないようにする
- 家具が点灯して、避難通路をふさがないようにする
- 子ども部屋はなるべく背の低い家具にする
東京消防庁HPから引用
地震に備えて安全ゾーンを増やしていこう【部屋別の対策】
安心ゾーンができたら、その範囲を広げていきましょう。
育児をしながら、全てを完璧にするのは難しいですが、何もしてないよりかなり安全になります。
基本的に対策は変わりませんが、その特性上の注意はあるので説明していきます。
寝室 夜に備えて対策しておこう
寝ている時に、地震があると急には行動できません。
寝室には、高い家具や割れるものは置かない様にしておいてください。
どうしても置き場がない時は、配置を考えて置いてください。
夜中に指令がかかって飛び起きる消防士でも夜はすぐに動くのは難しいよ。
なるべくものを減らして置くことが安全に繋がるよ。
夜に地震が起きた場合は、明かりが重要になります。
寝室にセンサーライトを設置しておくのもいいでしょう。
他にも、持ち歩けるライトや、靴(厚手のスリッパ)も置いてください。
それらを置いておくのに椅子型のスツールなどを使うと、外観も損ねなくて済むのでおすすめです。
ライトは懐中電灯より、ヘッドライトの方が手を塞がないから、さらに安全だよ。
キッチン(台所)食器棚対策をしておこう
キッチンは刃物や割れ物があり、災害時に凶器となりうるものが多数あります。
特に対策が必要なのが食器棚です。
食器棚には以下の対策を行いましょう。
- 扉・引き出しの開閉防止
- ガラスの飛散防止
- 食器の滑り止め
吊るす収納はおすすめしません。
地震の揺れの時に、飛んできて危険ですし、食器がぶつかり合う音は恐怖を倍増させます。
地震以外でも、吊るす場所が悪くて、服に火がついたと言った事案もあったり、さらには衛生面でもよくありません。
吊るすと揺れて、逆に安全とか見ることもあるけど、よほど外れないようにしてないと危険でしかないよ。基本的に収納するのを心がけて。
扉や引き出しの開閉防止で見た目が気になる人には耐震ラッチがオススメです。
棚が木材であれば、【ネジ】、木材以外や賃貸で穴が開けられないなら【両面テープ】を選びましょう。
揺れを感知して扉をロックするものと、普段からロックするタイプのものがありますので、子どものケガ防止を含めたなら普段からロックもいいでしょう。ただし、手間と感じる人は感知してのものがおすすめです。
廊下 避難を考えて対策しておこう
廊下は避難経路になるので、障害物となるものは置かないようにしましょう。
- 転倒したらドアや避難通路をふさぐ家具
- ガラスや花瓶、鏡などの割れやすいもの
- つまづきやすいもの
- 落ちてきたら危険なもの
何も置かないを心がけると、家の状態によっては廊下が、1番ものの少ない安全ゾーンになる可能性もあります。
他にも夜の災害に備えて廊下にはセンサーライトを設置しておくのもおすすめです。
赤ちゃんを起こさないために電気をつけたくないといった場合にも、便利です。
上記のセンサーライトはコンセントがふさがることもないし、電池交換の手間が必要ありません。停電時に点灯し、コンセントから外すと懐中電灯代わりにもなって便利です。
お風呂 無防備だからこその対策をしておこう
災害が起こった時、1番無防備な状態になってしまうのが、お風呂です。
身を守る服を着ていない状態で、鏡やドアのガラスなどが割れてしまうかもしれません。
ガラスの飛散防止は行っておきましょう。
シャンプーのボトルや石鹸置きは、割れない素材を選びましょう。
揺れが起きるとあわてて、お風呂場から出ようとしてしまいそうになるけど、転倒したりの危険もあるから、揺れをじっと待とう。ヘルメットがわりにお風呂の蓋も使えるよ。
災害時に備えてお風呂の残り湯をとっておくのを自衛隊はやっているというのも見たことがあります。
しかし、「もしそな」としては残り湯はとっておかないことをおすすめします。
子どもの小さい家で起こる事故の上位としてお風呂場の事故があり、水を残していることで子どもが事故にあう可能性があります。
さらに、地震の時は、水道管の状態が分かりません。
マンションでは下の階に汚水が流れて弁償したという事例が過去にもあります。
戸建てでも、汚水処理施設までの配管に破損がある場合もあるから、使えないと思っていてね。
トイレに使えなくても、洗濯や洗い物に使えると考える人もいるかもしれませんが、何日も置いている水は衛生面で不安があります。
それよりは、非常用トイレや使い捨ての食器を備えましょう。
安全ゾーンが完成したら?
部屋を安全にできたら、次は備えを見直していきましょう。
緊急時に持ち出す1次の備え、在宅避難または避難後に用意しておく2次の備えとやってもらいたいのですが、それよりもして欲しいことがあります。
それが【家から安全に外まで避難するグッズ】です。
家具のように命に関わることは少ないですが、ケガのリスクを減らし、素早く避難するために重要です。
災害時は救急車もすぐにこない、病院どういった状況か分からないので、ケガは避けなければいけません。
家の状況や家族構成によって避難は変わります。
私と家族が避難するにはどうしておくのがいいか?と考えながら用意してください。
家から安全に外まで避難するグッズとは
災害を想定して、避難を考えることが、もしもの時にスムーズに避難する予行演習にもなります
ただそうはいっても何からすればいいか分からない人もいるでしょう。
具体的な例をいくつかあげておきます。
- 避難までにガラスが落ちているかもしれない場合
靴または厚手のスリッパ
大きなガラスは防げないかもしれないけど、小さなガラスでも踏むと危険です。
- 夜に地震が起こった場合
ライト
暗くて、避難時にケガをする可能性が上がります。電気があることで安心感も違います。
緊急時は携帯でも構いませんが、携帯の充電はなるべく減らさないためにもライトがおすすめです。
自分の家では何が起こるか?
子供を助けるためには何があったほうがいいのか?
という目線で考えてみてね。
安全に家から逃げるができたら、その後の避難も考えていきましょう。
忙しい育児中だからこそ暮らしの中に防災対策を取り入れよう
たくさんの防災対策を紹介してきました。
しかし、仮に全て完璧に備えたとしても、災害には予想外なことが起きる可能性があり、【絶対安全】ですよとは伝えることができません。
ただし、やったことは必ずあなたの助けになり、家族を守ることになります。
育児で忙しい中で、防災対策までとなると大変です。
なので、少しずつ、一つだけでもやってみることから始めてください。
少しの意識で安全は全く変わります。そしてそれは地震だけではなく、子どものケガ防止にも繋がります。
家族を守るためにできることからはじめていきましょう。
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